2009年1月18日日曜日

禅ZEN~高橋伴明監督、中村勘太郎、内田有紀主演

日本曹洞宗の開祖、道元禅師の生涯をつづった伝記映画。鎌倉時代に宋へ渡って禅の神髄を体得した道元が、寺院焼き打ちなどの困難を乗り越えて教えを広めていく姿を描いた。中国ロケや四季の映像美などからは、説教臭くなりがちな既成の宗教映画から脱皮しようとする意気込みが伝わる。
 道元役の中村勘太郎の立ち姿、細かな所作、透き通った声は絶品。「只管打坐(しかんたざ)」など難しい禅の言葉が出てくるが、それらに固執せず、道元の生き様と求道精神に着目した方が楽しめるかも。遊女おりん(内田有紀)やその夫、煩悩のために寺を去る若い僧を登場させ、現代人との間の垣根を狭めた。